ペンギンの骨は高密度で頑丈だった。

フリッパー
フリッパー

実は鳥類の骨は多くの場合、骨密度が低くなっています。飛翔する為に骨密度を下げて軽量化がされているのです。(強度を保つ為に工夫された構造になっています)一方で同じ鳥類のペンギンは飛ぶ必要が無いため、骨密度は高く、しっかりとした骨組みが作られています。

骨密度が高くなることで骨の強度が上がるだけではなく、潜水をするペンギンにとっては適度な重さとなり、浮力で海面に上がってしまうのを防ぐ働きもあるのです。

特にフリッパー(翼が進化した腕の部分)は非常に頑丈な骨組みをしていて、海中で推進力を上げる時には大いに活躍します。水中では常に水圧がかかり、特にフリッパーを振る動作をすると、その部分には非常に大きな水圧がかかるため頑丈に進化していったという訳ですね。

水圧から内蔵を守るために常に空気椅子の体勢をとっていた

ペンギンは潜水能力に長けていて、数十メートルから数百メートルまで潜水することもあります。水深が深くなると水圧も上がり、内臓への負担が高まります。しっかり保護していないと内臓が凹んでしまうのです。

内蔵を守るために、胸骨はフリッパー同様に非常に頑丈で、また大きいものになっています。更にペンギンは一見脚が短く見えますが、実は身体の内部では人が空気椅子をしているような体勢をとっていて、下腹部にかかる水圧から内蔵を保護していたのです。

陸上で見える脚の部分は脛の部分だったという訳ですね。腿の部分は地上と水平に近くなった状態で固定されています。他の鳥類と比べると、飛ぶ必要がないこと、潜水する必要があることにより、大きく違った骨組みになっていたんですね。

ペンギンが樽のような体型に見えるのはこの体勢も影響してるのかと思います。各種のペンギンが本気を出したらどの距離まで潜れるのか非常に興味深いです。エンペラーペンギンなら800mぐらい行けるかもしれません。奥が深いペンギンの身体です。

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